日本は越境ECの後進国?!
Crossborder-Ecommerce (越境EC)が物販において無視できない販売メソッドとして、北米においてその地位を確保したのが2012年頃のことです。そしてわずか一年後の2013年に行われた調査で、米国の人口の75.8%の人が携帯、タブレット、個人のパソコン、共有のパソコンなどの通信機器を用いたオンラインでの買い物をした経験があると答えました。オンラインを用いた販売チャンネルへの期待は現実味をもってさらに大きく膨らみ、その結果として、2013年の越境EC市場の売り上げは米国から出荷されたもので300億ドル、全世界では1.4兆ドルと驚異的な数字を叩きだしました。そんな状況を商売に機微に敏感な中国やインドが見逃すはずはなく、そして国内でのオンライン販売がすでに販売ツールの常識であり欠かすことができないものとなっていた日本でも越境ECの検討を開始する物販企業が現れ始めました。
とはいえ、国内のオンラインショップでは実績も経験も豊富なはずの日本物販界が未だに越境ECにおいては欧米だけではなく、中国、インド、アラブ諸国よりも販売実績において大きく下回っている理由のなかには、まずは日本には国際価格という概念を持った人たちが非常に少ないということがあります。そのよい例として、自社のコストを精査せずに欲しい利益を先に計算する稚拙なコスト意識と、輸送会社の選択においても価格の競合性ではなく自分の好みで選ぶ(日本企業におまかせ)のお気楽な姿勢が抜けないということです。
越境ECで成功するためのファクター
日本の製品の品質は世界でも最高水準であり、日本のサービスの精神は世界でも揺るぎないトップの地位を確保していることは疑いのない事実です。
とはいえ、日本製品の異常なほどに高額な商品を買わなくても、それに匹敵する製品は既に世界市場に存在しています。そしてオンラインで買ったものに、日本のサービスを期待するほどお気楽な消費者やバイヤーがそれほど世界にいるとも思えませんし、期待されたところで、外国語を苦手とする日本人がそこまで懇切丁寧なサービスができる売り手がそれほどいるとも思えません。
ということで、言い換えれば、越境EC市場はその参入企業や売り手の国籍も言語も習慣も関係なく、常に競合性が高いものが選ばれる徹底的に(公平な市場)と言えるでしょう。
越境ECで成功するために必要なものは、【価格競争力のある優良品質品】【価格競争力とスピードのある輸送会社】【確実でコストパフォーマンスのよい海外サイト】【アメリカ英語、北京語、スペイン語の対応–最低でも英語対応】です。ご自分で海外サイトの運用が難しいようであれば、用途に適した支援サイト運営会社を価格競合性の視点をもって選んでください。
越境EC市場をシンプルに理解しましょう
どんなビジネスを始めるにしても、そのビジネスが自分に適しているかどうかを見極めることは大切ですね。まずは以下の項目を読んでいただき、ご同意いただけるようであれば、越境EC市場の勝ち組候補圏内ににいらっしゃると言えます。
1)商業上のトラブル解決は買い手の国の法律で判断されるため、対象とする市場の商法を理解する、あるいは理解している運営サイトや企業を利用することはマストだと思う。
3)片言の英語、中国語、スペイン語や翻訳機械を使った対応はだめ!他言語を尊重する姿勢を忘れずに他言語対策をとることはマストだと思う。
4)日本から海外に出せない製品や商品、相手国が輸入を拒否している製品や商品が少なくないので、取り扱う商品について事前にしっかり調べる、あるいはその知識を提供してくれる運営サイトの支援を得る態度はマストだと思う。
5)相手方からの支払方法の選択肢を増やしてください。銀行送金が許されない国もあります。それは相手国が信用できないよいうことではありません。買い手の枠を減らさないために色んな支払方法をとれる、あるいはそれを提供してくれる運営サイトを利用したい。
いかがでしょうか? こうしてみるとそれほど特殊な市場ではなく、理解の及ぶ市場ではないですか?
少子化と高年齢化が進む日本の市場と、市場平均年齢が25歳~35歳が平均の購買力のある越境EC市場、そのどちらも選択肢であり、そのどちらも目の前に広がる市場の未来像です。